下がった株が上昇に転じる時、チャートのローソク足は移動平均線の、下にぶら下がった状態から、上に乗っかった状態に入れ替わるポイントがあります。
これは、必ず起こることです。
したがって、ウィークリートレードなどの、短期~中期のトレード戦略で株を買う時の重要なポイントになります。(チャート重視の投資をしている場合)
しかし、最初に5日移動平均線を越えただけでは『騙し上げ』の可能性もあり、また5日移動平均線の下に戻り、下げ続けてしまうことも少なくありません。
そこで考えることは、
ローソク足が、5日移動平均線を越えてから2日目もまだ線の上にある、または線上に乗っかっている状態の場合は、このまま数日株価が上がっていくんじゃないか?
という期待が膨らみますよね?
↑こんなふうに上がる気がしてくる。
実際、後から見れば、上がった株のチャートはそうなっていますから。
そこで、今回調べることは、
ローソク足が5日移動平均線を越えて2日間、線より上または線に乗った状態で、
次に5日移動平均線より下に落下した時に引け寸前(または引け成行)で手仕舞いして利益が残る確率!
を調査します。
仮説として、上昇基調の銘柄を調べてみる
ただやみくもに、5日移動平均線を越えて2日目まで、線上に持ちこたえた銘柄で確率調査してもよいのですが、
それではあまりにおおざっぱ過ぎて、この記事を読んだ人が、実際に株取引をするときの参考にならないと思いました。
そこで、絞り込みのための仮説を立ててみました。
という仮説です。
なので、右上がりのチャートを選ぶための基準として
75日移動平均線線より上でローソク足が推移しているチャート
だけに絞ってデータをとってみました。
さてはて、調査の結果は!?
では、改めて調査条件を
5日移動平均線線の下に位置したローソク足が
- 5日移動平均線の上に位置して、翌日も線より上に(線に乗った)とどまったら、 その翌日、寄り付き成行買い
- 上がれば持ち続ける
- ローソク足が5日線下に半分以上落ちた時は引け成行で売る
計測ヶ所は310ヶ所(※300ヶ所のつもりが、オーバーして310ヶ所になってしまいましたが、結果に影響はないので、これでいかせていただきます。)
売った時点で利益が出た確率は、 47%
結果は、売った時点で利益が残る確率
47%
あれれ… 勝率は五分五分を切っています。
つまり、この戦法は、特に勝ちにつながりやすい手法では無い ということでした。
という、ありふれた方法という答えになってしまいました。
私の期待は大きく外れました。 残念。
5日移動平均線に2日間もとどまっているのだから、その後も何日かとどまって、多くの利益をもたらしてくれるかと思ったのですが…。
その後数日で、5日線より下り、買い値より下がる事例が多発です。
5日移動平均線上がって2日間のローソク足のタイプ別勝率の内訳
5日移動平均線上がって2日間のローソク足のタイプ別勝率の内訳を
ローソク足のパターン別に分けて勝率を出してみました。
陽線が2回でた翌日朝買った場合
- 88回、利益が出た。
- 79回、損した。
勝率52.6%
大したことない…。
陽線→陰線と出て翌朝買った場合
- 41回、利益が出た。
- 70回、損した。
勝率36%
陰線で5日線を越え、2本目は陽線。翌朝買って?
- 7回、利益が出た。
- 11回、損した。
勝率38%
陰線で5日線を越え、2本目も陰線で5線上をキープ。翌朝買って?
- 5回、利益が出た。
- 4回、損した。
勝率55%
結果についての感想
この調査結果を見て、私は正直あてが外れました。
そのままローソクが5日線上に乗ったまま上がっていく機会が多いと思っていました。
しかし結果は5割を切る確率。
この結果を順当とみることもできる
考え方によっては順当な結果とみるトレーダーもいるかもしれません。
勝率47%ではありますが、その中には、ローソク足が、そのまま5日線上に乗ったままグイグイ上げていく機会があるわけです。
それらを売らずに持ち続ける戦法 なら、地道に利益を上げられるとも、言えなくはありませんよね。
まあ、何処にでもある、ありふれた戦法ですが。
上げ基調のチャートは、むしろ5日移動平均線を割った時が注目点かも
この調査では、結果的に 初めてローソク足が5日移動平均線より上になってから3日目の朝に買うことになります。
ここからだと、やはり
5日移動平均線を割って長めの陰線が出ると、買い値より下がってしまうことが多発しました。(そこまで下がる前にストップロスするやり方もなくは無いですが)
3日目だと遅い。
という私の印象です。
そこで、考えを改めたのですが、
- チャートが水平に近い
- チャートが右上がりの上げ基調
の場合、
逆に ローソクが5日移動平均線より下になった時に注目する ほうが得を取れるんじゃないか?!
なんて考えました。
だって、基本の基本は、
です。
それに加えて、上げ基調(右上がり)であるなら、 移動平均線より下から上に超えていく瞬間あたりで買えれば、多く利益を上げられるんじゃないでしょうか。
その戦略を成功させるには、
という戦法。
買わないことも戦法のひとつです。
とまあ、 じれったいですが、こんな方法なら、少しは勝率を高められるかも知れません。
投資は自己責任で。