株価チャートのローソク足で、安値圏で包み線(抱き線)の陽線が出ると、株価の反転上昇のサインになるというセオリーが一般に言われています。
疑り深い私は「本当にそうなのだろうか?」という疑問を抱いて、実際に調べてみました。
それが、前回の記事です。
このようなセオリーは、おそらく一般的には、日足を例にして語られることが多いと思います。
へそ曲りの私としましては、
「じゃあ、週足の場合はどうなんだ?週足でも同じセオリーが当てはまるのか?」
と、疑念を抱いたワケです。
週足の安値圏の包み線(抱き線)はどれぐらい出現する?
前回の日足での調査に続いて、こちらの検証では、
週足の安値圏(26週移動平均線より下に乖離したローソク足)で、包み線の陽線が現れたら、その包み線の終値を基準に、
- 翌週末の株価が+になる確立
- 翌々週末の株価が+になる確立
- 5週後の株価が+になる確立
を調べてみました。
調べた週足チャートの数は、約320銘柄のチャートです。
週足チャートの期間は2年間が表示されたチャートです。
週足チャートの包み線はなかなか無い
日足で調査した時も感じたのですが、安値圏に限定すると、包み線のローソク足は、なかなか見つかりません。
週足で探すと、日足のチャートよりもっと出現率が下がります!
今回、期間2年の週足チャートを320個調べて、安値圏での包み線は116ヶ所でした。
1年を52週とすると、104週(2年)×320=33280週
116ヶ所/33280週=286.9
安値圏の週足チャートでの包み線は
286週に1度しか、出現しない。
年間でいうと、
5年半に一度程しか出現しません。
調べているうちに、こんなもの調査して、意味はあるのか?
と感じてしまうほど、出現率が低いという結果です。
しかし、この、滅多に出現しないローソク足が、高確率で反転していたなら、調べた甲斐があるというものです。
調査結果
安値圏で出現した包み線陽線の終値の、
翌週終値の+は 76回/116ヶ所
65.5%
翌々週終値の+は 78回/116ヶ所
67.2%
5週後終値の+は 79回/116ヶ所
68.1%
…ん〜、どれも反転して行く確率は大して高くない。
ような気もします。
一応、上がる確率の方が高いです。
包み線出現後も流れを細かく分析
↑では、翌週、翌々週、5週後の株価を別々に分けて調査しました。
これでは、
例えば、翌週、翌々週にマイナスだった株価が5週後にプラスに転じてその後上がっていった。などという経過が判断できません。
ということで、今回は
包み線の、
翌週→翌々週→5週目と、どんな風に上げ下げしたかを調査しました。
翌週→翌々週→5週目の流れ
+ → + → +
52回
+ →+→ −
12回
+ → − → +
8回
+ → − → −
4回
− → − → −
15回
− →− → +
11回
− →+ →+
8回
− →+ → −
6回
分析してみましょう
改めて条件をおさらいすると
- 26週移動平均線より下に乖離
- 包み線(抱き線)の陽線の週足
- 翌週→翌々週→5週目の株価が包み線の当週の終値に対して+か−か?
全て+圏をキープしたのが、圧倒的に多くて52回です。
翌週に+(76回中)で、5週後も+圏にあるのは60回。
ここから考えられる買いのタイミングとは、
週足の包み線のローソク足の出た最終日に買いを入れる。翌週末の終値が+になれば、5週目まで持ち続けても利益を上げられそうだ。
また、
包み線の翌週がマイナスになった場合、(40回ありました)
第5週目に
- プラス圏に上がって行ったのは19 回
- マイナス圏のままだったのは21回
半々です。やはり、一本めのローソク足でプラス圏をキープした銘柄はその後、上昇していく確率が、ぐんと高いのが分かりました。
おまけ
今回の調査では、26週移動平均線の下に乖離したローソク足から調べましたが、何百という週足チャートをチェックしながら感じたことがあります。
26週移動平均線より上に乖離したローソク足が、26週移動平均線に降りて来てタッチしかかったタイミングで、陽線の包み線がけっこう出現しているのです。
それも、見た感じ、そこから必ずと行っていいほど反発しているのです。(あくまで、見た目の感覚ですが)
こちらのほうが、勝てるような気がしました。
って、最後に、ちゃぶ台返しのようなこと書いてしまいましたね。
これも、いつか調査して見たいと思います。